GC キャピラリー 専用カラム
ULBON HR専用タイプは、当社が特に専用分析用として開発した製品です。
専門分野でお使いいただくための汎用キャピラリーにはないユニークなカラムです。
液相の仕様
品名 | 液相 | 極性 | 用途 |
---|---|---|---|
HR-SS-10 | ニトリルシリコン | 強 | 脂肪酸エステル専用 (特にC1=18,C2=18の幾何異性体) |
HR-Thermon-3000B |
フタル酸エステル | 強 | 脂肪酸エステル専用 (特にC20の不飽和の分析) |
HR-Thermon-600T |
フタル酸エステル | 強 | 精油、香料 |
HR-Thermon-HG |
アルキレングリコール フタル酸エステルポリマー |
強 | メチル水銀、エチル水銀、 トリブチルスズ |
HR-TGC1 |
フェニルメチルシリコン | 微 | トリグリセライド |
専用キャピラリーカラム
専用キャピラリーカラムは当社が開発いたしましたオリジナル液相をコーティングすることにより汎用タイプより、さらに高感度・高分離・高定量性を可能にしたキャピラリーカラムです。
ここに各種製品をまとめてご紹介いたします。
脂肪酸メチルエステル専用
ULBON HR-SS-10
ULBON HR-Thermon-3000B
近年、脂肪酸メチルエステルのキャピラリーカラムによる分析は、生化学分野において重要な分析手段として広く行われるようになってきました。特にcis、trans異性体、位置異性体の分離は、脂肪酸エステルの分析には欠かせないものです。
当社では、脂肪酸エステル専用キャピラリーカラムとして ULBON HR-SS-10、ULBON HR-Thermon-3000B*の2種類を発売しております。
*ULBON HR-Thermon-3000Bは、従来品のULBON HR-Thermon-3000Aに改良を加えた、より安定な高性能、高分離カラムです。
Advance-DS
汎用性のあるWCOTタイプです。
特殊な分析以外にも広範囲にご利用ください。
精油・香料類専用
ULBON HR-Thermon-600T
精油、香料の分析ではキャピラリーガスクロマトグラフィーを利用することは不可欠のものとなっています。その主成分は、テルペンと呼ばれる(C5H8)nの分子式をもつ鎖式または環状の炭化水素とその誘導体で、化学的に不安定なアルコール、アルデヒド、ケトンなどです。
このような主成分をもつ精油、香料のキャピラリーガスクロマトグラフィー分析には、特にカラム内面の不活性度が抜群で、高感度、定量分析が可能な安定した高分離能キャピラリーカラムが要求されます。
当社は、この要求に応えるキャピラリーカラムとしてULBON HR-Thermon-600Tを精油香料類専用キャピラリーカラムとして発売しています。
有機水銀(メチル、エチル水銀)・トリブチルスズ専用
ULBON HR-Thermon-HG
公害関連物質として、すでに規制されています有機水銀および近年、有害物質として、漁網の防汚剤、船底塗料に使用されているトリブチルスズの分析に最適なキャピラリーカラムです。
塩化トリ-n-ブチルスズ、アルキル水銀の分析は、パックドカラムでは吸着現象のため定量値の再現に欠けます。
ULBON HR-Thermon-HGは、吸着現象はきわめて少なく、定量値の再現性、高感度分析も可能です。特に、塩化トリ-n-ブチルスズの分析にはパックドカラムと比較して分解、吸着現象は少なく、優れた分析能を示します。
トリグリセライド専用(不活性化処理済耐熱キャピラリーステンレスカラム)
ULBON HR-TGC1
キャピラリーカラムは、内面が高純度な石英管に外面をポリイミドでコーティングしたフューズドシリカ カラムが一般的に使用されています。しかし、350℃以上の高沸点試料の分析には、高温に耐えられず、また、折れやすいという欠点がありました。
この欠点を補う為、高温用ポリイミド被覆カラムや、外面にアルミコーティングしたカラムもありますが380℃以上の耐熱や、操作中に折れやすい欠点は、完全には改良されていませんでした。
弊社では、これらの高温分析に対応するカラムとして、キャピラリー ステンレスカラムの内面を完全に不活性化処理し、フューズドシリカと同等以上の性能を持つ内面不活性カラムを発売いたしました。外径0.5mmφ内径0.25mmφのステンレスカラムを使用しており、400℃以上の耐熱、機械的強度に十分耐用できるものです。
ULBON HR TGC-1は、この不活性化処理済耐熱キャピラリーステンレスカラムを利用した高温分析用キャピラリーカラムです。
アルキルフェノール類専用
当社が特に専用分析用キャピラリーカラムとして開発したWCOTタイプのオリジナル製品です。特殊な分析にはぜひご利用ください。
ULBON ALPhen
従来、ガスクロマトグラフィーでは分離不十分のため、分析が困難とされてきましたクレゾール、キシレン、エチルフェノールなどのアルキルフェノール化合物の異性体が完全に分離できます。
- 特に、2,4-キシレノール、2,5-キシレノールが分離し、キシレノール全異性体(6成分)が完全に分離します。
- クレゾール、エチルフェノールの異性体の分離が良好です。
上記のようにALPhenはアルキルフェノール類の分離に優れた性能を示し、最適の分析を提供できます。
キシレン異性体専用
ULBON Xylene Master
- Xylene Masterはキシレンの異性体に対して約1.1と大きな相対保持値を有しているため優れた分離能を示します。
- 液相自身大きなカラムキャパシティーを有し、フューズドシリカによる吸着活性もきわめて少ない結果、数ppmの微量分析が可能です。
- 最高使用温度は160℃です。一般の分析に使用されているフタル酸エステル系液相のカラムよりも耐熱性は向上しています。そのため、より沸点の高いアルキルベンゼン異性体の分析にも適用できます。
パラキシレン中の不純物専用
ULBON SPX-1 (SUS)
- パラキシレン(p-Xylene)中の不純物(例えばm-Xylene,Cumeneなど)の分離分析専用です。
- ハロゲン化フタル酸エステル構造をもった液相からなるWCOT型ステンレススチール(SUS)キャピラリーカラムです。
- p-Xylene中のm-Xyleneの分離分析は、通常のGC分析ではp-Xyleneが先に溶出するため、キャピラリーカラムでも非常に難しい分析とされています。
特に微量のm-Xyleneの分析はきわめて困難とされています。SPX-1は、微量m-Xyleneが主成分のp-Xyleneの前に溶出します。そのため定量分析も可能です。