Shinwasorb
Shinwasorb は
全く新しいガスクロマトグラフィー用多孔質シリカ担体です。白色珪藻土担体に近い外見、 物理強度、耐熱性を持っています。珪藻土担体が抱える多くの問題点を解消しています。
Shinwasorb の特徴
- 化学合成品のためロット間のばらつきがありません
Shinwasorb は化学合成によって製造された多孔質シリカです。珪藻土担体で問題となる原料による品質のばらつきがありません。 - 微細孔がほとんど存在せず、成分の吸着が皆無です
Shinwasorb の表面にはミクロ孔、メソ孔と呼ばれる微細孔はほとんど存在しません。 そのため微細孔に成分が吸着することによるピークのテーリングを生じません。 - 成分の吸着、分解の原因となる重金属等を含みません
Shinwasorb は高純度のシリカ原材料を用いて製造しています。重金属等をほとんど含まないため、成分が吸着、分解しません。
- 物理強度に優れ、微粉の発生がほとんどありません
Shinwasorb は物理強度に優れ、微粉の発生を心配することなく使用できます。 - 珪藻土担体と同等以上の比表面積を有します
Shinwasorb は粒子表面に孔径が揃ったマクロ孔が存在し、珪藻土担体と同等以上の比表面積を有します。Shinwasorb に液相をコーティングした充填剤は、均等な表面構造により液相の膜厚が均一化するため、シャープで対称性の良いピークが得られます。 - 多様な液相をコーティングできます
Shinwasorb は珪藻土担体と同じく多種、多様の液相をコーティングすることができます。
Shinwasorb の種類
Shinwasorb-U
粒子表面を酸処理したものです。珪藻土担体のAW品に相当します。
Shinwasorb-S
Shinwasorb-U をDMCS処理したものです。珪藻土担体のAW-DMCS品に相当します。
※充填剤及び充填カラムでの販売となっております。
■Shinwasorb の物性値
Shinwasorb と白色珪藻土担体の比較
Shinwasorb | 一般的な白色珪藻土担体 | |
---|---|---|
SiO2 純度 (%) | > 99 | およそ 90 |
嵩比重 (g/ml) | 0.46 | 0.25~0.3 |
比表面積 (m2/g)※ | 1.8 | 1~3 |
孔径100nm以下の細孔容積 (cm3/g)※ | < 0.02 | およそ 0.03 |
※ 窒素吸着(BET)法による測定
■Shinwasorb は液相濃度25%以上をコーティングすることが可能です。
次のグラフは液相(Silicone DC-200)のコーティング量を変化させ、それぞれの充填カラム (1.1m x 3.2mm I.D. のガラスカラム)でイソペンタンとノルマルペンタンの分離度、およびノルマルペンタンの理論段数を測定したものです。
Shinwasorb による分析例
Shinwasorb-U 40/60 mesh に Sebaconitrile を25%コーティングした充填カラム(長さ 9.0m, 内径 3.0 mm ステンレス)の LPガス分離例です。Chromosorb-P AW 60/80 mesh の充填カラムと比較しました。
一般的に褐色珪藻土担体が用いられている低級炭化水素ガスの分析にも Shinwasorb が使用でき、さらに珪藻土担体以上の高分離度を実現します。
Shinwasorb は同じメッシュサイズの珪藻土担体と比較してカラム圧がやや高くなります。長いカラムで分析する場合は 40/60 mesh の使用を推奨します。
■Liquefied Petroleum Gases (Comparison of Shinwasorb and Chromosorb P)
Shinwasorb-S に Polyethylene Glycol 20M を5%コーティングした充填カラム(長さ 2.1m, 内径 3.2 mm ガラス)の低級アルコール分離例です。Chromosorb-W AW-DMCS 60/80 mesh の充填カラムと比較しました。
Shinwasorb は 対称性が良く理論段数の高いピークが得られます。Shinwasorb 40/60 mesh で珪藻土担体の 60/80 mesh と同等、もしくはそれ以上の理論段数です。
Shinwasorb のかさ比重は白色珪藻土担体のおよそ2倍です。Shinwasorb にコーティングする液相濃度(%)を白色珪藻土担体時の1/2にすることで、ほぼ同等のリテンションタイムが得られます。
■Short Chain Alcohols (Comparison of Shinwasorb and Chromosorb W)
Shinwasorb-S に Silicone OV-17 を1%コーティングした充填カラム(長さ 2.1 m, 内径 3.2mm ガラス)の有機リン分離例です。Shinwasorb-U および Chromosorb-W AW-DMCS の充填カラムと比較しました。
吸着によりピークのテーリングが発生しやすいメチルジメトン (100ppb) が安定的に検出できます。
Shinwasorb-U も不活性処理をした珪藻土担体以上に不活性です。
■Organophosphorus Compounds (Comparison of Shinwasorb and Chromosorb W)
Shinwasorb-S に Silicone OV-17 を1%コーティングした充填カラム(長さ 2.1 m, 内径 3.2 mm ガラス)の有機塩素系殺虫剤分離例です。Shinwasorb-U およびChromosorb-W AW-DMCS の充填カラムと比較しました。
重金属やシラノール基により分解しやすいエンドリン (100ppb) が良好に検出できます。
Shinwasorb-U も不活性処理をした珪藻土担体以上に不活性です。