ULTRON HF-Phenyl
ULTRON HF-Phenyl とは
階層的多孔構造をもつシリカゲルに、官能基(Phenyl)を化学結合したモノリス型キャピラリーカラムです。
プロテオーム解析で、高再現性、高ピークキャパシティーをお求めの皆様へご提案いたします。
ULTRON HF-Phenyl の仕様
カラム名 | ULTRON HF-Phenyl |
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カラムタイプ | Phenyl |
サイズ (長さ x 内径) |
250 mm x 0.1 mm 700 mm x 0.1 mm |
使用目的 | ペプチド・インタクトタンパク質分析 |
流量範囲 | 推奨範囲: 300〜500 nL/min |
pH範囲 | 推奨範囲: 2.0〜8.0 |
推奨温度範囲 | FEP スリーブ: 30〜50℃ (Max. temp. 50℃) PEEK スリーブ: 30〜60℃ (Max. temp. 60℃) |
最大許容圧力 | FEP スリーブ: 20.0 Mpa PEEK スリーブ: 30.0 Mpa |
キャピラリーカラム本体の外径は0.38 mmです。スリーブやフェルールなど、ご使用になられるNano flow LC system へ適合したフィッティングをご使用下さい。通常出荷時のフィッティングは、FEPスリープ仕様です。オプションで、耐圧仕様パーツ(INJ側 PEEK スリーブ)もご用意致しております。弊社で、耐圧仕様(PEEKスリーブ)をセッティング(有償)してお届けできます。
品名 | 摘要 |
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標準仕様 (FEPスリーブ) |
① 1/16” PEEK密栓 ② 1/16” O.D. x 0.35 mm I.D. x 40 mm FEPスリーブ ③ 1/16” CTFEフェラル ④ 1/16” PEEKフィッティング ⑤ 1/32” PEEKカラムジャケット ・ バルコバルブ(Thermo Fisher Scientific)に対応しています。 ・ カラムをシステムに取り付ける際は、0.6 N・mを目安として下さい。 |
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INJ側 耐圧仕様 (PEEKスリーブ) |
① 1/16” PEEK密栓 ② 1/16” O.D. x 0.41 mm I.D. x 40 mm PEEKスリーブ ③ 1/16” PEEK高耐圧フェルール (ステンレスとPEEKブレンドポリマーのハイブリッド型) ④ 1/16” PEEKフィッティング ・ バルコバルブ(Thermo Fisher Scientific)に対応しています。 ・ フェラルをかしめる際は、トルク1.4 N・mを目安として下さい。 ・ カラムをシステムに取り付ける際は、1.1 N・mを目安として下さい。 |
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ULTRON HF-Phenyl カラム温度の影響 (タンパク質混合物)
分子量が8万程度であれば、体温に近い温度での蛋白質分離が可能です。
ULTRON HF-Phenyl カラム間再現性 (タンパク質混合物)
カラム間の再現性も良好です。
ULTRON HF-Phenyl カラム長さの違いによる分離比較 (タンパク質混合物)
長いカラムを使用すると、より精細な分離ができます。
ULTRON HF-Phenyl モノクローナル抗体測定におけるカラム温度の影響
45℃以上にてmAbの分析が可能です。
ULTRON HF-Phenyl モノクローナル抗体のキャリーオーバー
カラム温度50℃で85%以上の回収率を示しました。
ULTRON HF-Phenyl 水系移動相におけるフェニル基の異性体識別
フェニル基は、π電子相互作用が働くため ODSやC4などのアルキル基と異なる分離特性や位置異性体の
識別に特徴があります。
ULTRON HF-Phenylは、生体分子の分析を行う水の豊富な移動相条件においてクレゾールの位置異性体を
分離しました。
ULTRON HF-Phenyl 使用上の注意点
- キャピラリーカラム本体は細い石英管で出来ており、傷に対してデリケートです。ぶつけたり、落とすなどの強い衝撃を与えないで下さい。また、金属などとこすれないようにして下さい。微細な傷等によりカラムが折れる原因となります。
- フィッティング部(事前加工品)は、事前に最適化しております。部品を外すなどして分解しないで下さい。
- カラムは、R = 100 mm程度まで曲げることが可能です。それ以上に強く曲げるとカラムベッドあるいはキャピラリー管の破損の原因となりますのでご注意下さい。
- カラムは、流量範囲、pH範囲、推奨温度範囲でご使用ください。この範囲を超えると早期劣化の原因となります。
- カラムは、最大許容圧力以下でご使用ください。 最大許容圧力は、標準仕様(FEPスリーブ)20.0MPa、耐圧仕様(PEEKスリーブ)30.0 MPaです。
- 本カラムをご使用する前に、移動相および試料は0.45 μm以下のメンブレンフィルターで濾過して下さい。 濾過を怠るとカラムフィルター部分に目詰まりを起こし圧力上昇やピーク割れの原因となります。
- 移動相は十分に脱気してご使用下さい。移動相の脱気が不十分な場合、装置内、カラム内に気泡が発生し、 トラブルの原因となります。
- 試料は出来る限り移動相と同じ組成の溶媒に溶解させて下さい。
- カラムの封入液はメタノールです。カラム取り付け後に封入液から移動相へ置換する際は、急激な圧力上昇を起こす危険性がありますので、流速を200 nL/min程度で10分以上通液した後、目的の流速まで上げて下さい。
ULTRON HF-Phenyl の洗浄方法及び保管
- 60%以上の有機溶媒を含む、有機溶媒と水の混液(酸、無機塩を含まない)で洗浄して下さい。
- 分析終了後は、圧力計がゼロになってからカラムを取り外して下さい。
- 長期保存する場合は、有機溶媒で置換をした後、同梱している密栓をして冷暗所に保管して下さい。